きみは金色
あきれかえった声で、おれに聞いてくるイワコウ。
一気に目に飛び込んでくる、黒板に書かれているたくさんの数字。
…そういや今、授業中だったっけ。
そんなことを自覚して、口元に苦笑いを浮かべた。
「あー…えーっと……」
「えーっと?」
「……眠気覚まし?」
「…あっそ。次からはもうちょっと、目立たん方法を考えてくれー」
ニヘラっと笑うと、イワコウの視線から逃げるように、軽くうつむいた。
何も書いていないノート。
何本も並んだうすい線をにらんで、ため息をつく。
…アホか。おれはいったい、なにを想像してんだ。