きみは金色



「…好きだ」




自然と口から、滑り出た。



シンプルな言葉。



真っ直ぐで、最強の言葉。




「会いにいく」




涙みたいなしょっぱい汗が、言葉を出すたび、代わりに口元に入り込む。




「大阪。何回でも…何十回でも、会いにいくから…っ、」

「うん」

「おれ、ちゃんとこっちで頑張るから…っ、」

「やりたいことも、しっかり見つけて……そんで、将来…真子の横にいても、胸張れるくらい……っ、」





おれが。




おれが持っているのはちっぽけで、まだ種みたいなもので、全然価値なんてないけど。



未来は、全然、わかんねーけど。




それでも努力して、育てて、いつか自分自身に胸を晴れる日。




その将来が、きみにつながっていますように。




…どうかおれのとなりに、きみがいますように。




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