きみは金色
おれたちの間にある絆みたいなモンも、気づかないうちに、強くなってるのかもしれない。
しれない、じゃない。
なってんだよ。
「はっ、はぁ…っ」
「はぁっ、はぁ…っ」
これ以上走るのがつらくなって、立ち止まって肩で息をする。
心臓はまだ、走っている。
体だけ、置いていかれそうだ。
「考えたの……っ、どうしたら1番伝わるかなって、」
つないでいる手に、力が込められる。
ゼエハアしながら、泣きそうな顔をした真子が言った。
「ただ言っても、だめだって思った。言葉だけじゃだめだって。レオくんの不安も、わたしの不安も、残ったままになっちゃうって…」
「………」
「ほ、本当は、髪!金色に、ね。しようと、思って…」
「………」
「でも、色抜かなきゃダメって知らなくて…だから1番明るい色にって、でもあんまり染まらなくて、元が黒いから、だから…」
「きれいだ」
真子は、きれいだ。
おれにとっては、誰よりも1番。
1番、光ってて。