久しぶりだね初対面
…おいおいおい。

どういうことだよこりゃあ。

何で俺こんなところにいるんだ?

頭を抱えて無限ループに入りかけようとした時。

「!」

いきなりドアがノックされ、俺はビクリとなった。

「は…入ってます」

かすれた声で返事すると、個室の外の人の気配は遠ざかっていった。

…少し落ち着いて、周囲の状況に意識を向けてみる。

外からは、小さいながらも人の声が聞こえる。

かなりの人数が、ざわざわと声を上げている。

自分一人ではない事に安堵する。

人がいる。

誰かがこの状況を知っているかもしれない。

あわよくば、俺の知り合いがいるかもしれない。

こういう時、知っている人間がそばにいるっていうのは心強いもんだ。

いやまあ、まだいると決まった訳じゃないが。

とりあえず、ここで便座と合体している場合じゃない。

俺は外に出てみる事にした。


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