久しぶりだね初対面
伊藤と双葉。

二つの点が線で繋がった。

「今、私の両親、すごく険悪で…顔を合わせる度に喧嘩ばかりで…私も少し、情緒不安定っていうか、いらいらしてて…だからあなたに声をかけられた時、ついきつい言い方になっちゃったんです…」

伊藤は俯いたまま言う。

「このままもし両親が離婚したりしたら…私の名字も、本当に双葉になっちゃうなー…なんて思ったら、何だかカッとなっちゃって…ごめんなさい」

「…」

…やっぱり彼女は俺の知っている双葉だと思う。

そして、俺は知らなかった。

双葉の名字が、中学の時までは伊藤だった事。

そして恐らく、彼女の両親はこの後に離婚して…。

「あは、ごめんなさい」

伊藤…いや、双葉は無理に笑った。



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