記憶のカケラ。〜君を思って前に進もう〜
ふと少し視線を上に上げると、 灰色の雲

が空いっぱいに広がっていた。

どんよりとした雲からは今すぐにでも

雨が降ってきそう。

あ…。しまった。…傘持ってくるの忘れ

た。たしかTVの朝からうざいほど高い声

で無理に作って笑っていたあの営業スマ

イルお天気キャスターは私の住んでいる

地域は昼から降水確率は80%と言ってい

た。別にこんなの人間の予測にすぎない

が当たる確率があるのも確かな事。

まぁ、降ったら降ったでそれでいい。

そう、それでいいじゃん。

それからもHRの間はずっと、吸い込ま

れるように私の心のように晴れない空を

ずっと見つめていた。
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