ライギョ
「竹脇、どうやった?」


「ああ、変わったような変わっていないような……まぁ、でも竹脇に違いなかった。」


「確かに。あいつ太ってたやろ?俺も何年かぶりに連絡取ってみて会った時、びっくりしたもん。」


「体型に?趣味に?」


俺は竹脇の巨漢とあのフィギアを思い浮かべながら言う。


「ハッハッハ、どっちもやな。お前も見たんやな。ラビリんちゃん。」


「なに、あれ、ラビリんっていうの?」


「うさぎの妖精らしいで。」


なるほどなぁと大事そうにケースに入れられていたフィギアを思い出す。


「っで、竹脇なんて言ってた?」


「取り敢えず、この日曜に会えるようコンタクト取ってるらしい。その時に少しでも手掛かりになるような事聞ければいいんだけど。また竹脇からお前にも連絡行くと思うけど。」


「そうなんか。日曜ってことは明後日かぁ……他は?なんか聞いたか?」


「うーん……相手は自称中学生らしいから念の為、小夜……平沢さんを連れて行くって。その万が一相手が女の子だった場合、俺達犯罪者になりかねないからって。」


この前、山中と再会した時は何も思わず小夜子と平気で呼べたけど、いざ、本人を前にすると呼び捨てにしていいものか戸惑った。


それに山中だって自分の彼女を他の男が呼び捨てにするのは面白くないはずだ。


なのにーーー


「ちょっと、平沢さんとかって止めてよ。一瞬誰の事か分からんかったわ。」


「その通りや。俺も一瞬、誰の事言うてんのって思った。お前、そう言う細かいとこ気にするの変わってないな、いっこも。」










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