ライギョ













「ありがとう。これでやっとわだかまりが消えたわ。」


今、俺達は千晶さんの友人との再会を無事に終え取り敢えず、駅に向かいながら歩いている。


時刻は丁度、4時半を少し回った所だ。


「役に立てたなら良かったです。だけどバレなかったかなぁ。俺、不自然でしたよね。」


行く前、千晶さんに嘘の彼氏役を演じきるといった割には少々不自然だったかもしれない。


肝心な所で一歩足らずな自分の不甲斐なさに嫌気がさす。


「そんなことないよ。友達もすっかり安心してたもの。私の事を大切にしてくれる人が漸く出来て良かったって。彼女もずっと苦しんでたみたいだから……。」


千晶さんが今回大阪へやってきた理由ーーー


それは過去の恋にちゃんとケリを付けるためだった。


そのケリ、とはーーー


千晶さんがこの街でOLをしていた当時、結婚も意識するような相手がいた。


けれどちょっとしたスレ違いなんかからその人との仲がギクシャクしだして自然消滅状態だったらしい。


「それでまぁ、結局、私はそのままこの街を離れたんだけど春に友達から連絡貰ってね。彼と結婚する事になったんだって。」


千晶さんは淡々と話すけれど仲の良かった友達が元カレと結婚とかって結構なダメージだと思う。










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