スキと言えるまで。





「…若葉。」





ずっと黙っていた爽一が喋りだした。





「…この前のテスト、一点差で誰が勝ったっけ?」





「んーー!!」





はっとした顔で顔を上げる若葉。
そう、何を隠そうこの間のテストは、一点差ということで爽一の勝利だったんです。
若葉、痛恨のケアレスミスで。





「…言いたいこと分かるよね?」





私でも分かりますよ、爽一さん。
静かに言う爽一が一番怖いです。





「…分かったわよ!
大人しく出ればいいんでしょ、出れば!」





本気で若葉悔しそう…。






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