桃の花を溺れるほどに愛してる
「でもっ、私、そんなこと……!春人に悪いし、榊先輩のことを特別な感情で見れないし……っ」

「さっきも言ったけど、そんな最低な人のことは放っておきなよ。だから、桃花ちゃんが気に病む必要もない」

「……」

「それに、俺のことをどうとも思っていないのなら、最初は友達からでいいから交際を始めよう?一定の時間が過ぎても桃花ちゃんの気持ちが傾いてくれないのなら、その時は……俺は、諦めるから。だから、俺にチャンスをくれないかな?」


 うわ、榊先輩、頭をさげた……!そこまで必死になってくれているっていうこと?私なんかに?

 ……でも、まぁ……友達になるぐらいなら、別にいいよ、ね?

 「汝にチャンスをあたえよう!」なんて偉そうなことを言っているつもりは無いけど、友達になるぐらいなら……悪いことじゃないし、むしろ良いことだと思うから……。


「それじゃあ、友達になら……えっと、よろしくお願いします」

「本当に?!桃花ちゃん、ありがとう!こちらこそ、よろしくねっ!」


 爽やかに微笑みながら、私の両手を握って勢いよく上下に振る榊先輩。

 そっ、そんなに嬉しいのか。そんなに嬉しいものなのか……っ?!

 男心はよく分からないけど、かくして、私と榊先輩は友達になった。

 まさか当時に片想いをしていた人と友達になるなんてね……。信じられなさすぎて、笑っちゃう。
< 133 / 347 >

この作品をシェア

pagetop