桃の花を溺れるほどに愛してる
「っていうか、本当に春人……天霧さんじゃなくて、ただの友達だってば」

「あら?そうだったの~?なんにせよ、楽しんでらっしゃい!ホホホ」


 本当に春人じゃなくて友達だって、分かっているのかなぁ?

 お母さんって時々天然が入るから、ちゃんと話を聞いているのか分からなくなることがあるんだよねぇ。

 まっ、そこがお母さんのかわいいところの1つでもあるんだけど!


「あっ、ご飯はいいわ。多分、昼ご飯はどこかで食べるだろうから」

「ええ」

「夕ご飯の予定は正直に言って分からないから、何かあったら携帯で連絡するから!」

「分かったわ」

「よし、んじゃあ、顔を洗って来る~」


 色々と行く準備を済ませながら、ちらりと携帯のディスプレイを覗いてみたけど、やっぱり相変わらず春人からの連絡はなかった。

 ……もしかして、春人の言葉をちゃんと聞かないで去ってしまったこと……怒っているのかなぁ?


「桃花。時間、大丈夫なの?」

「えっ。あっ、もうこんな時間?!じゃあ、お母さん!行ってきまーす!」


 カバンを片手に、私は集合場所である近くの駅に向かって急いだ。

 携帯のディスプレイに表示されている時計を確認するも、まだ少しだけ余裕はあるみた……い?よかったー!
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