映画みたいな恋をしよう
「仕事も辞めたの。仕事って辞めるの簡単だった。責任ばかり感じてバカみたいだったよ私。私が居なくても、地球は回るし仕事も進むのにね、気付くのが遅いって」

胸の中の存在が
小さくて
消えてしまいそうな感覚に襲われる。

猫が心配そうに俺達を見ていた。

「そんな時、コウさんに出会って……家に入り込んだら、借金取りの怖いお兄さん達はウロつくし、催促の電話もかかってくるし、婚姻届と保険契約書はあるし」

「ごめん」

「私はもういいから……コウさんのお役に立ちたい」

「優香」

「お父さんに会いたい」

また泣き始めた彼女を
俺はずっと胸に抱く。

ずっとずっと

泣き止むまでずっと

抱きしめて

なぜか一緒に泣いていた。
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