Doll‥ ~愛を知るとき
食器を片そうとした時、昨夜、食器用洗剤が切れてしまっていたことを思い出した。
朝に使った食器もそのままだから、洗わなきゃいけない。
─ お店だけなら‥
あたしは部屋着のまま、財布を持って商店まで走った。
狭いスペースに食品、日用品、文房具‥、色んな物が並んでいる。
棚から食器用洗剤を取り、あたしはレジに向かった。
「エナちゃん、いらっしゃい。」
丸椅子に腰かけたオバサンが優しい笑顔を見せる。
髪を染めたんだ。
白髪の目立っていた髪が黒くなっていた。
「こんにちは。」
「いつもありがとうね。エナちゃん。」
代金を払って、ニコニコと愛想のいいオバサンに軽く頭を下げ、あたしは お店の外に出た。