Doll‥ ~愛を知るとき
泣いている顔を見られたくなかった。
あたしは顔を伏せ、涙を拭いた。
そして
「今日は帰ってください。」
と、俯いたままで告げた。
「分かった、また明日な。愛翔、帰るぞ。」
あたしの手にジュースのパックを握らせて、浩也は愛翔を連れ廊下を歩き出した。
そっと顔を上げ、彼らの後ろ姿を目で追った。
愛翔のことが気になっていた。
浩也に手を引かれた愛翔は、二度あたしを振り返り、廊下の角を曲がって姿を消した。