Doll‥ ~愛を知るとき
満開の桜の木が一定間隔で植わっている道路を、彼は運転して行く。
山道のカーブが車酔いを誘う。
ふと、子どもの頃、遠足でバスに乗った時に吐いたことを思い出した。
「気持ち悪い‥。」
「愛波、大丈夫か?車、停めようか?」
心配する樹に、無理に笑顔を作って「大丈夫。」って、答えた。
必要以上に、彼に手間を掛けさせたくない。
車の窓を開けて、外の空気を吸い込む。
小一時間ほど走ると、前方に牧場が見えて来た。
「ね、牧場に行くの?」
「そう。」
まだ吐き気は取れないままだったけど、とてもウキウキして来た。