Doll‥ ~愛を知るとき


家に入るなり、バスルームに直行した。

愛翔の濡れた衣服を急いで脱がせ、あたしも裸になった。

髪には砂が付いたままだし、早く洗い流してあげたい。

「あーくん、おいで。」

「うん。」

裸んぼになった愛翔を抱き上げ、洗面台の鏡に目を遣った瞬間、血の気が引くのを感じた。

「あい‥と‥。」

愛翔の背中には‥、


─ なんで‥?


あたしと同じ傷痕があった。


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