Doll‥ ~愛を知るとき
ここから出なきゃ‥
愛翔を連れて行かなきゃ‥
お金なんて無い。
今朝、買い物に行きたいと言ったあたしに、浩也が五千円札を一枚くれただけ。
今は、僅かなお釣りしか残っていないけど、躊躇している猶予なんて無い。
握りしめた十字架のネックレスを、ジーンズのポケットに押し込んだ。
「あーくん、行くよ。」
眠そうに目をこする愛翔を抱き上げ、寝室から玄関に向かおうとした時
─── カチャ
視線の先でドアが開いた。