Doll‥ ~愛を知るとき

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ギラ付いた目で近付いて来る男。


また、あの夢‥

そう感じながら、樹を見ていた。

「愛波、自由になれると思うなよ。」


─ 違う、樹じゃない‥


「分かってんのか!あ!?」

拳で壁を殴り、大きな音を立てて威嚇している。

あの頃と何にも変わっていない。


どうして、あたしは帰って来たんだろ‥

なんで、ここにいるんだろ‥


「来い!愛波!!」


─ イヤだ!


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浩也の怒鳴り声に身を竦めた瞬間、夢から解放された。

心臓が激しく動いてる。

ハァハァと呼吸が荒い。

けれど、抱きしめて安心をくれた樹は、ここにはいない。


─ 怖いよ‥、樹‥


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