Doll‥ ~愛を知るとき
重いビールケースを運んでいると、その姿を見かけた浩也が手伝ってくれる。
「愛波ちゃん、これ食べてみてや。」
試作品の料理だと言って、味見を頼んで来る。
「なぁ、今度、デートしようや。」
「え?」
「来週の定休日、朝 10時に迎えに行くわ。」
それまで、そんな風に積極的に接して来る異性はいなかった。
だからかもしれない。
あたしは、徐々に浩也に惹かれていた。
「愛波、結婚前提で付き合お。」
桜の木が緑の葉で覆われた頃、浩也に告白された。