Doll‥ ~愛を知るとき
寂しかったんだ。
一人ぼっちでいることが、寂しかったんだと思う。
幼い頃から、ずっと集団生活だったから‥。
初めての一人暮らしで解放感を覚えつつ、その裏側で孤独も感じていた。
時々、比べることがあった。
「すき」の大きさ。
浩也のことは すきだけど、樹に感じていた恋の感情とは違う。
でも、寂しかったから、別れることを考えなかったのかもしれない。
春が過ぎて、夏になった。
ベランダから見える桜の木は、濃く緑の葉を繁らせていた。
6月下旬。
浩也と付き合い出して、そろそろ二ヶ月が経つ頃、新しい従業員が入って来ることを知った。