Doll‥ ~愛を知るとき
†11 哀傷
1LDKの部屋は、綺麗に整頓されていた。
薄明るい部屋に天井から数個、シーリングライトが光っている。
楕円形の黒いローテーブルと同色のレザーのソファ。
ゼブラ柄のセンターラグがコルク製の床に敷かれている。
大きな液晶テレビとオーディオ。
スチール製の棚には、車のプラモデルが三つ。
どれも同じ車種。
きっと、樹のすきな車なんだと思った。
「座って。」
「はい。」
彼に誘われるまま、あたしはセンターラグの上に腰を下ろした。