Doll‥ ~愛を知るとき
「男の子に “愛”なんて字を使って、女の子みたいで変よねぇ。可哀想にねぇ。」
オムツを外しながら、聞こえよがしに愛翔に話し掛けている。
名前が気に入らないんだ。
義母は、愛翔を名前で呼ぼうとしなかった。
「せっかく、先生にお願いして名前を付けて貰ったのにねぇ。ぼくちゃんのママは、ワガママだからねぇ‥。」
ブツブツ文句を言いながら新しいオムツを付けて、愛翔に不満を吐き出している。
「最近の若いママは、ダメね。紙オムツしか使わないのよね。ぼくちゃんは可哀想でちゅねぇ。」
愛翔は“可哀想”なんかじゃない。
なのに、事あるごとに義母は そう言った。
“可哀想”
その言葉を使われる度に、あたしは侮蔑されているように感じた。