Doll‥ ~愛を知るとき
「母親失格ね。」
義母は、蔑んだ視線を向けた。
「ぼくちゃんは、可哀想でちゅねぇ。牛さんのミルク飲まされてねぇ。」
あたしの目の前で愛翔に話し掛けながら、哺乳瓶で人工乳を与えている。
どんなに義母が意地悪を言ったって、昼間は愛翔を独占しようとしたって、母乳はママの特権だから‥。
そう思って耐えて来たのに‥。
「あーくん、ごめんね‥。」
真夜中、ミルクを飲んでスヤスヤ眠る愛翔を抱いて、あたしは哀しくて泣いた。