Doll‥ ~愛を知るとき
駐車場に向かって車に乗り、夕暮れの山道を町に向かって走る。
大きな羊が怖かったことや仔牛が可愛かったこと、それから森の中の出来事‥。
少し興奮気味に話すあたしに、樹は優しく頷いてくれる。
珍しく夢中で話していたから、帰りは車酔いはしなかった。
意識の問題かもしれない。
けれど、耳が弱いと乗り物酔いをするって聞いたことがある。
あたしの左耳は、時々 変な耳鳴りがする。
海が見えて来た。
ずっと眺めていた。
国道を左折し上り坂を走って、樹はアパートの駐車場に車を停めた。