Doll‥ ~愛を知るとき
マンションの敷地内に、桃の花が咲いている。
風に春の香りを感じる。
駐車場へと歩きながら、爽やかな気持ちになった。
「あーくん、おばあちゃんちで お利口にしててね。」
後部座席に設置したチャイルドシートに乗せる時、愛翔は体をくねらせて嫌がった。
最近は、しっかりと意思表示が出来るようになったことに、成長を感じている。
「あーくん、はい。」
泣かれると運転に集中出来なくなるから、機嫌を取るために幼児用のソフトせんべいを持たせ、ドアを閉めた。
そして、緊張しながら、あたしは運転席に座った。