Doll‥ ~愛を知るとき


歯磨きは並んでする。

洗面台の鏡越しに、見つめ合って歯を磨く。

その時間も、あたしには大切なひととき。

樹と同じことをしているのがすきだから。


冷たくなった髪をドライヤーで乾かした。

長く伸びた髪は、てっぺんだけが黒い。


─ そろそろ染めなきゃ‥


だけど、美容室には行かない。

あたしの髪も樹の髪も、あたしが染める。


「スーパー行きたいな。毛染めの液、買いたい。」


お布団で待ってる樹の隣に体を滑らせた。

彼は頷いて、あたしの髪を撫でた。


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