Doll‥ ~愛を知るとき


毎日、仕事を終えて愛翔を迎えに行く度、義母は嬉しそうに話した。

「愛波さん。今日は、ぼくちゃんジャンプが出来たのよ。」


そんな義母に嫉妬を感じていた。

あたしより愛翔のことを知っている。

その口振りが嫌だった。


「そう言えば、昨夜、朝美ちゃんから電話があったけど‥、愛波さん、もっとしっかりしないとダメよ。あなた、浩也の奥さんなんだから浩也に恥をかかせないでね。それからねぇ‥。」

玄関先で、お説教を聞く。

その間も愛翔は笑顔で義母に抱っこされている。

そんな愛翔の姿に、あたしは不満を覚えていた。


「あーくんは、ママより おばあちゃんがいいんだね。」

帰り道、チャイルドシートで愚図る愛翔に嫌味を言ってしまう。

きっと、情緒が安定しないせい。

少しずつ、大切なことが見えなくなっていた。


 
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