Doll‥ ~愛を知るとき
 

「っこ~!」

抱っこをせがむ時、愛翔は そう言って両手を広げる。

その姿は可愛いけれど、何もかも愛翔中心には出来ない時もある。

「ちょっと待ってね。ママ、お掃除したいの。」

愛翔の気が済むまで抱っこしていれば、家事が出来なくなってしまう。

少し抱っこしたあと、玩具の電車を宛がって掃除機を掛けていた。

愛翔は、電車を投げると

「っこぉ~!」

と、わんわん泣き出した。

義母が甘やかすから、ワガママになるんだと思った。

このまま大きくなって、浩也みたいな人間になって欲しくない。

「も少しだけ、待って。ね?」


─ 我慢すること、教えなきゃ‥


言葉を掛けながら掃除を続け、抱っこしなかった。


 
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