Doll‥ ~愛を知るとき


板前の山岡さんが

「おめでとう!」

って、言った。

あとに続いて他の板前さんやパートさん達、それから、あたしも朝美さんにお祝いを言った。

いつもは無口な義父も、厨房から顔を覗かせて「おめでとう」と言っていた。


「朝美ちゃん、誕生日なんか?おめでとう。」

浩也が朝美さんに声を掛けた。

「そうやねん。欲しかったワンピと同じの、愛波さんが着てたからビックリしたし~!浩也くんって優しいよね!奥さんにプレゼントするなんて!」

まるで喧嘩腰の口調で、朝美さんは答えていた。


彼女の言葉は、どんな風にも解釈出来る。

だけど、あの服は、浩也が朝美さんの為に買ったものだと感じた。


「愛波さん、ビールケース取りに行くから、手伝ってくれます?」

パートのオバサンが、あたしを呼んだ。


 
< 415 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop