Doll‥ ~愛を知るとき
胸が焼けるような嫉妬とか、そんなものは感じない。
ただ、好き勝手している浩也に腹立ちを覚えているだけ。
朝美さんとの関係を問い詰めたりしない。
浩也が余所を向いてると、その方が楽だから。
お給料と呼べない少ない賃金は貯めている。
愛翔名義の通帳だから、浩也も何も言わない。
今は、いつか彼が、あたしに飽きるのを待っている。
時期が来るのを待つしかないから‥。
「今日は予約が沢山だから、今から忙しくなりますねぇ。」
重いビールケースを運びながら、オバサンが溜め息混じりに言った。