Doll‥ ~愛を知るとき
「どうしたの?」
心無しか、朝美さんの声が柔らかく感じる。
その声に緊張が少し解れた。
「ごめんなさい‥。浩也が酷いこと言って‥。」
「あ、そのこと?いいねん。謝るのは、あたしの方やん。」
朝美さんは、そう言うと
「浩也、必死になってて可笑しかったわ。」
って、笑った。
ずっと、付き合いは続いていたと、彼女は言った。
あたし達が結婚する前から、ずっと。
朝美さんに恋人がいた頃も、それを承知で割り切った関係だったって‥。
「浩也は遊んでただけ。あたしは彼にとって、都合のいいオンナってだけ。」
だけど、その関係に割り切れなくなった朝美さんは、恋人と別れることを選んだ。