Doll‥ ~愛を知るとき


「愛波さんのこと、ずっと嫌いやったわ。いきなり現われて浩也の気持ち奪って‥。」


朝美さんが話している間、何も言えなかった。

片手に抱いた愛翔を足元に降ろして、彼女の話に耳を傾けていた。

「お互い刺激を求めてただけ。でも、あたしが本気になってしまったから、ヤキモチ妬いて喧嘩になってん。だから、終わらされたって感じかな‥。」

誕生日に迷彩柄のワンピースを買って貰う約束をしたのに、その服を あたしが着ていた。

そのことで朝美さんは浩也を責め、拗れてしまったんだと打ち明けた。

「腹立つやん。都合良く遊ばれてるだけなんて‥。だから、浩也の前で山岡くんに全部ぶっちゃけてん。お陰でクビになったけど、浩也の本心知って今は清々してる。」

勝手な言い分。

だけど、強がるしかないのかもしれない。

朝美さんの声に、悲しさなんて微塵も感じなかった。


 
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