Doll‥ ~愛を知るとき
ただ、愛翔に会う度に気落ちすることが増えた。
新幹線の絵本は、愛翔のお気に入り。
いつも持ち歩くから背表紙が破れている。
「ママ、よんで!」
「うん。」
ソファに座って、愛翔に絵本を読み聞かせる。
「ママ、ばーばがおかしかってくれてん。」
途中、何度も、愛翔は義母のことを口にするようになっていた。
「そっか、良かったね。」
答えながら、自分の子どもじゃないように感じている。
あたしと愛翔の距離が遠くなっているような、そんな虚しさを感じていた。
「ママ。」
「ん?」
「ばーば、なにしてるんかなぁ?」
愛翔に罪は無い、愛翔を責めちゃいけない。
分かっていても、義母を慕う愛翔を許せない気持ちになった。