Doll‥ ~愛を知るとき
「愛波ちゃん。」
労るように、樹は呼ぶと
「オレの家、覚えてる?」
って、訊いた。
公園に沿って真っ直ぐ歩けば、右手に彼の住むマンションが建っている。
あたしは、小さく頷いた。
「オレ、これから仕事だからさ。」
仕事に向かう途中、ケータイを忘れたことに気付いた。
だから、取りに戻って直ぐに引き返す必要がある。
樹は、そう説明すると
「明日、うちに来れる?」
って、訊いた。