Doll‥ ~愛を知るとき


─ 行きたい‥

  もう一度、会いたい‥


想いは強くあるのに、大きく首を横に振った。

そんなことしちゃいけないって、自分に言い聞かせている。

静寂の中、木の葉の風に揺れる音だけが響いていた。


「来るよ。愛波は。」


樹は、確信したように言った。

その言葉に、思わず顔を上げた。

潤んだ瞳で彼を見つめて

「なんで?」

って、訊いた。


答えをくれないまま、樹は立ち上がった。


「明日な。」


優しく微笑んで、彼は公園を駆けて行った。

そして、柵を越えビッグスクーターに乗ると、あたしの視界から消えた。


 
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