Doll‥ ~愛を知るとき
「ここって?」
駐車場から見える建物に視線を遣りながら訊いた。
「市民ホールみたいなとこ。向こう側は公園なんだ。」
答えると、樹は後ろを向いて、運転席と助手席の間に身を乗り出した。
急に接近する距離に、DOKIDOKIを感じてる。
樹の首の後ろ側に、シルバーのチェーンが光っていた。
「愛波、降りて。」
「うん。」
リアシートに手を伸ばした樹は、プラスチックの黒いケースを持つと運転席から降りた。
あたしも助手席のドアを開け、車から降りた。