Doll‥ ~愛を知るとき
一階の食品売り場で、数日分の食材を選んだ。
樹が押しているカートに乗せた、カゴいっぱいに。
「愛波、あとは?」
「日用品のコーナーかな?ティッシュペーパーも切れてるし。」
訊かれたことに答えただけ。
なのに
「愛波が“ティッシュペーパー”って言うと、響きがエロいな♪」
樹は、悪戯な笑みを見せた。
いつも、そう。
からかって反応を楽しんでいる。
それが分かっているから、あたしもわざと膨れっ面になる。
「そんなことないもん‥。」
ティッシュペーパーと《ミルクティブラウン》と表示書きされた毛染め液を棚から取って、あたし達はレジに並んだ。