Doll‥ ~愛を知るとき
夕方、いつもの時間に樹が帰って来た。
「おかえりなさい♪」
出迎えるあたしを、彼はギュッと抱きしめてくれる。
「ただいま。愛波、買い物行くよな?」
スーパーマーケットに行きたいって言っていたことを、ちゃんと覚えてくれているんだ。
「うん。すぐに用意する♪」
あたしが部屋着から春ワンピに着替えている時、樹も作業着から私服に着替えた。
白のスカイラインは、旧式。
デザインがすきなんだって。
海に近い空を夕日が淡く金色に染めている。
その光を受けた雲も目映い金色。
助手席の窓から、その風景をずっと見ていた。