Doll‥ ~愛を知るとき
「樹‥?」
何を、どう答えればいいのか分からない。
あまりにも突然過ぎて、ただ戸惑っていた。
「病院で会った時も昨日の公園でも、愛波は、オレを見て泣いたよな。それは何故?」
答えることを躊躇ってる。
彼の腕の中で、じっとしていた。
「オレ、愛波が忘れられなかった。忘れたいとも思わなかったけどさ‥。愛波‥。」
あたしの返事を待つように、樹は、言葉を止めた。
「ん?」
胸がいっぱいで、声を出すことがやっと。
そんなあたしを樹は腕から解放した
そして、優しい瞳で あたしを見つめた。
「もう我慢するなよ‥。」