Doll‥ ~愛を知るとき
ココロの奥深くで望んでいたのかもしれない。
樹が手を差し伸べてくれることを‥。
だけど、全てを委ねれば、必然的に彼に迷惑を掛けることになる。
そのことが引っ掛かった。
「ね、やっぱダメ‥。迷惑は掛けたくないの。それに、樹を利用するみたいで、やだ‥。」
「いいじゃん。オレを逃げ場にすればさ。愛波になら、利用だって何だってされてやるよ。」
「でも!」
「冗談だよ。愛波は何も考えなくていい。考えれば、また遠回りになるだろ。オレに全部任せろよ。分かった?」
「樹‥。」
「もう、このまま帰るな。チビちゃんはオレが連れて来るから。」
綺麗な瞳。
その瞳に頷いた時、止まりかけていた涙が また溢れて零れた。