Doll‥ ~愛を知るとき
同棲しているアパートは、海から歩いて十分と掛からない。
ただ、上り坂だから 樹は あたしをオブって歩く。
くっついている、その感触がすきなんだって‥。
「樹、大丈夫?」
「平気だよ。ウチに帰れば楽しみ待ってんだし。」
「もう‥。」
スネた振りして、ココロの中では それを望んでいる。
「愛波だって、すきじゃん。だろ?」
からかうように訊かれて
「うん‥。」
頷いて、彼の耳たぶを軽く噛んだ。