Doll‥ ~愛を知るとき
「愛波。」
「ん?」
「買い物、行こっか。服とか買わなきゃだろ?」
樹は仕事を休むって言った。
あたしがここに来ることを想定していたから、義兄には暫く休むと伝えてあるって‥。
「それに腹も減ったしな。昼飯のこと忘れてたよな。」
「うん、あたしも。」
あたし達は出掛ける準備を整えて、一緒に部屋を出た。
外に出ると、しとしとと小雨が降っていた。
曇った夕空から降り注ぐ雨粒がアスファルトを濡らしている。
「雨だね。」
「そう言えば、今年って台風来ないよな。」
樹の車に乗って、あたし達は駅へと向かった。