Doll‥ ~愛を知るとき
「そんなことない。だって、すごく嬉しいもん。」
「マジで?」
「うん。それに このペンダントトップ、すごく可愛い。」
蓋になっている部分を閉じて、十字架を見つめた。
綺麗に並んだジルコニアがキラキラ光っている。
「ね、吸血鬼だっけ?十字架を見ると死んじゃうのって。」
ふと思い出したことを口にしてみる。
「そうだっけな。あ、そうだ。これ愛波が着けてろよ。」
「え?いいの?」
「うん。魔除けにさ。」
冗談混じりに言って、樹は あたしの首にネックレスを掛けた。