Doll‥ ~愛を知るとき
「電話で言いましたよね。愛波ちゃんのことだって‥。」
「あのな、勘違いするなよ。俺ら、仲は いいねんで。」
わざとらしい笑い声が重い空気の中に響いた。
「桜井は知らんやろうけど、愛波は時々、訳の分からん行動するねん。毎回、俺は苦労してるんや。」
浩也は、あたしのことを育児ノイローゼだと偽り、子育ても出来なくて困っているんだと嘘をついた。
話し終わるなり、浩也は
「愛波。」
あたしの頬に手のひらを充て、目を合わせて来た。
そして、緊張で乾いた唇に、彼の唇を押し付けた。