Doll‥ ~愛を知るとき
まるで、辱めを受けたような心境。
ショックで頭の中が真っ白になった。
浩也は、押し付けた唇を離すと、作り笑顔で あたしを見つめた。
「愛波、桜井に迷惑掛けたんやから、ちゃんと謝れよ。」
こんな姿を見せ付けて、もう樹の元には走れない‥
「ごめんなさい‥。」
空っぽになったココロで、謝るしかなかった。
樹は何も言わなかった。
彼の視線が苦しい。
「じゃ、帰ろか。愛波、車に乗れよ。」
促されるまま、助手席のドアに手を伸ばした時
「愛波ちゃん。」
樹が、あたしを呼んだ。