Doll‥ ~愛を知るとき


車の中で、浩也は声を弾ませていた。


「アイツ、アホやな。」

そう言って、樹を嘲笑(ワラ)っていた。


「“狼少年の話、知ってる?”やて。ナメとんな。」


樹の話し方を真似、馬鹿にして嘲笑っている。

それがココロの貧しさを露にしすることだとは気付かず。


信じてくれなかった樹を恨んだりしない。

ただ、狡猾なキツネを連想させる浩也が不快だった。


車が店の駐車場に着いた。


「おい、愛波。」


サイドブレーキを引いた浩也は、あたしを呼ぶと

「アイツにヤらせたんちゃうやろな?」

怖い声で訊いた。


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