Doll‥ ~愛を知るとき


気になるんだ。

過敏症のせいか、浩也は電話を無視することが出来ない。


「誰やねん‥。」

呟くと、彼はあたしの上から降り、乱暴に足音を立てて寝室を出た。


まだ痛みの残る体を起こして、あたしはベッドに座った。

ふと、ナイトテーブルに置いた子機に気付いた。

そっと立ち上がり、物音を立てないようにクローゼットの扉を開け、そこからバッグを取り出した。


── 樹‥


バッグの中には、十字架のネックレスが入っている。

あたしはロケットを開き、緊張に震える指で中から折り畳んだ紙を抜き出した。


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