Doll‥ ~愛を知るとき
─ 愛波は、オレがいないと生きてけないの。分かる? ─
─ オレは、愛波が壊されないように、守んなきゃダメなの。愛波は、オレだけの人形だからな ─
─ オレの言う通りにしてれば、愛波は壊れない‥ ─
樹は、あたしのココロを誰にも触れさせないようにしていた。
あたしの弱さを知っているからこそ、彼だけの愛で守るように、あたしを包んでいた。
─ お人形になりたいな‥ ─
樹だけに愛される人形になりたい‥
それを望んでいたのは、あたし‥
だから、樹は、彼自身を犠牲にしてでも、あたしを守ろうとしていたんだ‥
計り知れないほどの深い愛情。
優しい愛のカタチを知って、胸が焼けるように熱くなった。