Doll‥ ~愛を知るとき


─ 愛波は、オレがいないと生きてけないの。分かる? ─


─ オレは、愛波が壊されないように、守んなきゃダメなの。愛波は、オレだけの人形だからな ─


─ オレの言う通りにしてれば、愛波は壊れない‥ ─


樹は、あたしのココロを誰にも触れさせないようにしていた。

あたしの弱さを知っているからこそ、彼だけの愛で守るように、あたしを包んでいた。


─ お人形になりたいな‥ ─


樹だけに愛される人形になりたい‥

それを望んでいたのは、あたし‥

だから、樹は、彼自身を犠牲にしてでも、あたしを守ろうとしていたんだ‥


計り知れないほどの深い愛情。

優しい愛のカタチを知って、胸が焼けるように熱くなった。


< 572 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop