Doll‥ ~愛を知るとき
樹は触れなかったけど、あの夜、あたしの泣き喚く声も興信所の人達に聞かれたはず。
偶然が偶然を呼んで、途切れていた糸が繋がっていく。
そんな不思議さを感じながら、何も言えなかった。
「歌穂ちゃん。これ、ありがとな。」
「あ、もう必要ないですね。」
樹はケータイ電話を歌穂に手渡し、畳の上に転がっていた彼のケータイの電源を入れた。
「玲央と歌穂ちゃんの協力が無かったら、愛波を救えなかった。」
樹が優しく微笑み掛ける。
「おばあちゃんもね。」
ニッコリ笑うと、歌穂は話を進めた。