Doll‥ ~愛を知るとき


商店に刑事がやって来たことを、オバサンは玲央に知らせた。

玲央から連絡を受けた樹は、直ぐにアパートに向かった。


途中、ケータイを鳴らしても反応は無く、アパートの下には見慣れない車があった。

間に合わなかったと悟って、樹は、その場から車を走らせた。

そして、追って来た刑事を撒いたあと、玲央と落ち合った。


「エナ、ばあちゃんが興信所の人に喋ってしまったこと、許したってな。」


─ 許すも何も‥


玲央に頷きながら、あたしの瞳から涙が零れた。


玲央の車を利用して、樹は、ずっと あの町にいた。

必ず、あたしから連絡がある。

それを信じて、歌穂のケータイを借り、彼女達と連絡を取りながら、ずっと待っていた。


「カッケーよな。無実の指名手配犯なんてさ。」


きっと、あたしの気持ちを和らげる為、樹は楽しそうに笑った。


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